【アメリカ】健康保険&医療費の悲しい実情
こんにちは!
ある友人が自らの体験と、とある記事をSNSに投稿。その内容が衝撃的だったので、このブログでシェアしたいと思います。
健康なときはさほど不自由を感じませんが、ひとたび健康に不安を感じたり、通院や治療が必要になると、精神のみならず、経済的に破綻しかねないのがアメリカ・・・。
そんな厳しく悲しい実情を考えさせられる投稿でした。
乳がん検査に〇〇ドル!!!
その友人は、最近乳房にしこりを発見し、幸運にも翌日に婦人科医とのアポが取れたそう。
彼女が「幸運」と書いたのは、通常アメリカでは医師の診察を受けるのに、予約が必要で1週間から長ければ1か月待つことがザラなのです。
幸い、しこりは良性で、乳がんの心配はありませんでした。
しかし、衝撃だったのは請求書の金額。
婦人科医の診察時の前払金(Co-pay):30ドル
超音波検査:300ドル
病理検査など:2000ドル
合計:2330ドル(25万円強)
彼女はもちろん、健康保険に加入しています。しかし、保険会社の判断で、これらすべてが自己負担額とされてしまったそう。
「私はただ、乳がんだったらどうしようって・・・。検査結果に安心しても、これほど高額な検査費用を負担しなければならないとは、この国の医療はおかしい!!!」という内容でした。
息子の歯が折れて〇〇ドル!!!
彼女の投稿に、「私も同じような経験があるわ」と書き込む人がいました。
シャワーを浴びているとき、歯が折れて(broke his teeth in the shower)しまった息子を病院に連れて行くと、歯が唇に刺さっていないかレントゲンを撮ることになり・・・。
結局何事もなく、その病院でしてもらったことといえば、小児歯科を紹介してもらっただけ。唇や口の中を縫う必要もなかったそうです。
しかし、レントゲンの請求額がなんと3000ドル(約33万円)!!!
やっぱり何か狂ってるとしか思えません・・・💦
「民間の健康保険がいいって誰が言ったの!?」
乳がん検査に2000ドル以上かかった経験と合わせて、友人はニューヨークタイムズの記事を添付していました(↓)。
ご存知の方も多いと思いますが、アメリカでは個人がそれぞれの責任で、民間会社の健康保険に加入します(多くの場合、雇用主が提供するものに加入します)。月々の保険料が高額な上、その保険適用範囲はいまいちよくわからないのが実情。命も懐も保険会社にがっちり握られている感があります・・・💦
記事には身の毛もよだつ恐ろしいことが書かれており・・・(↓)。
小児糖尿病(Type 1 diabetes)と診断され病院のベッドで苦しむ筆者に寄り添う両親に、看護師は「今すぐ保険会社に電話してください。でないと入院費用が下りないですよ」と忠告したそう。
恐怖に怯える14歳の少女を置き去りにし、両親は何時間も保険会社と電話で交渉しなければならなかった・・・それが彼女と保険会社との長い闘いの始まりだったのです。
副業しても払いきれない医療費
小児糖尿病は自己免疫疾患で、24時間血糖値を観察し、インスリンの投与が必須。それを怠れば、失明や腎臓疾患や死に至るリスクもある・・・。
両親は共働き、ともに二つ以上の仕事をしているにもかかわらず、自分たちの健康保険料を払えないほど、家計は逼迫。それほど、彼女の医療費が高額なのです。
しかも、処方されたインスリンの用意が遅れることもしばしば。それは、医療的理由ではなく、保険会社が保険適用額をコントロールしているから・・・。
もし、保険会社が閉まる連休中に、インスリンを使い果たしてしまったら・・・彼女の不安は尽きません。
学生時代、払うお金がないまま顔面蒼白で薬局に駆け込み、同情した薬剤師に無料でインスリンをもらったことも・・・。
「最悪なのは、私が特別じゃないってこと」
記事の最後に彼女は、こう主張しています。
「最悪なのは、この国で私みたいな人は決して特別じゃないってこと。全然珍しい話じゃない!私たちみたいな免疫疾患を持つものが死と隣合わせの恐怖の中、やっと生きてるのに、カナダでは一貫した保険制度で安心して治療を受けられる。アメリカでは、毎日が保険会社との闘いだっていうのにね」
「政治家がやっと保険制度について討論を始めたのはうれしいけど、焦点が間違ってる。アメリカ人は民間の保険会社に医療を牛耳ってほしくないだけ!適正に保険を適用してくれさえすればいい。命を救ってくれる医師や看護師、薬剤師にはいつだって感謝してるわ」
この記事を読むと、なんだかんだ言って、日本はいいな・・・と思います。そして、やっぱりアメリカはもういいかな・・・早くポルトガルへ行こうと決心を固めました。