世界に広がる人種問題への抗議活動に考えること
こんにちは!
アメリカのみならず、世界中で人種問題への抗議活動が盛んになっています。ここ、ポルトガルでも多くの人が抗議デモで街を歩きました。
そんな中、著名人の発言や関連動画の中から、共感したもの、参考になったものをいくつか紹介します。
「自分に起きたことではないからと言って、決して実際に起こっていないことではない」
テニスの大坂なおみ選手がツイッターに投稿した言葉です(↓)
リスボンでの抗議デモの様子をテレビで見て、彼女の言葉が心に刺さりました。
彼女の言葉は、客観的で誰かを責めるわけではなく、自分に問いかけているような響きがあるので好きです。
構造的人種差別(不平等)とは・・・
アメリカに住む友人とも、この問題について話しました。彼女は、「日系人は戦後、アメリカで最も嫌われていた人種だったが、アメリカ人だと認めてもらうために努力して現在の地位を築いた。だから、アフリカ系の行動にも問題がある・・・」のようなニュアンスのことを言いました。
もちろん、日系アメリカ人の方がどんな差別を受け、人権を獲得するのにどれだけの苦労をしてきたかは知っているつもりです(↓)
しかし、それを踏まえても、何か大きな違和感、やるせなさ感が残りました。
「この違和感はなんだろう?」とずっと考えている時、この動画を見つけました(↓)
アメリカ社会の構造的人種差別(不平等)をわかりやすく説明したものです。
アメリカでは、人種に限らず、貧富の差も含めて、数パーセントの財力・権力のある人たちに都合の良い社会構造になっていることは間違いありません。もちろん、才能や努力によってアメリカンドリームをかなえるケースもありますが、大多数の人にとっては個人の努力では覆せないほどの格差です。
これはアメリカほど極端でないにしろ、どの国でも実在するものだとは思いませんか。
「特権階級が変えなければならない」
アメリカのほとんどの人は、差別はあってはならないと認識し、自ら差別的行動をとっているわけではない。しかし、法律も社会のシステムも一部の人たちに有利にできており、結果、格差は広がり、見えない不平等と差別から抜け出せないのです。
このシステム的”欠陥”は、アメリカが抱える銃規制、肥満、高額な医療費、貧富の差など、あらゆる問題と複雑に絡み合っています。
たしかアメリカの映画監督がSNSの投稿で、「システムの歪みは現在の特権階級が変えなければならない」という内容のものを見ました。再検索したのですが、出どころが見つかりませんでした。
バンクシーも同じようなことを訴えているという記事を見つけました(↓)
私もそう思います。おそらく、彼が意味してることは、弱い立場の人がどんなに叫んでもシステムは変わらない。政治家や白人社会を含め、経済的、立場的に優位のある人、実際に権限のある人が、現在の制度や慣習を改めていかなければならないということだと理解しています。
人間は良いものだと信じたい
私もリスボンでの抗議集会に行ってみようか迷いました。しかし、一人で静かに考えた方が良い答えが見つかると思い、出かけませんでした。
私に何ができるだろうかと考えた時、自分の中の偏見を認識し、相手とその文化をリスペクトし、団体に属する誰かではなく、その人個人として平常心で接することではないかと思いました。
「名前を呼ぶ」、「挨拶する」、「感謝する」、「謝る」、「決めつけない」、「知ったかぶりしない」、「わからないことは訊く」、「自分が正しいと思い込まない」、「違いを尊重する」、「攻撃しない」、「きれいな言葉を選ぶ」、「良いところを探す」、「感情が高ぶったら深呼吸する」・・・。
ネガティブなことは10万倍のパワーと速さで拡散するけど、怒りで怒りを増殖させて誰が得するんでしょうか。人間誰しも自分と共通点がひとつはあって、個人的に付き合えばいい人だと信じたい・・・。結局、誰かを責めてもいい結果にはならないから、自分がまず、相手に望む行動をとるのが有効だと思うんです。
マイケルの『Man in the mirror』が聴きたくなりました(↓)
イチローの言葉も勇気をくれる(↓)
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