フランス人って本当に面白い!
こんにちは!
今日は、20年ちかくさかのぼり、パリへの回想旅に出かけます。
私は、大学生の頃からずっとフランス人に憧れていました。映画やテレビで見る彼らは、頑固で、皮肉屋で、いけ好かない感じ・・・。
でも、おしゃれで、自分の哲学みたいなものを持ってて、世界中から一目置かれてる・・・それが、かっこいいなって思っていました。
大学生の頃、友だち二人とパリで1か月間アパルトマンを借りて、暮らしてみたことがあります。
何か特別なことをするわけでもなく、1か月の定期券を購入してバスや地下鉄で気の向いたところへ行き、ひたすらぼーっとする。3人で食費用のお金を入れた『貧乏財布』を握りしめ、街のスーパーで買い出し、朝昼晩自炊していました。
さらに、渡米する数か月前、2000年の夏、ひとりでフランスを旅行しました。留学先にアメリカを選んでしまったので、少しフランスに未練があったのかもしれません。
当初は、1か月かけてフランス全土をくまなく周遊するつもりでしたが、2週間経った頃、孤独に耐えられなくなり、残り2週間はパリで語学学校に通うことにしたんです。
そこでホームステイ先を紹介してもらい、出会ったのがジョーでした。
美味しい家庭料理に感動!
ジョーは一人暮らしのおばちゃん。独立している24歳と20歳の娘がいたので、おそらく50歳前後だったんじゃないでしょうか。
明るく笑顔が素敵な人でした。いたずら好きのネコを飼っていて、よく、前傾姿勢で左手を腰におき、右手でネコを指さし、「Attention!」と注意していました。ジェスチャーが日本人ともアメリカ人とも違い、その姿は、私の思い描くフランス人そのものでした。
ジョーはとっても料理上手。毎日、夕食に3~4品は作ってくれました。
食いしん坊の私は、ジョーが料理しているのを見るのが大好き・・・。野菜は小さな果物ナイフで『空中切り』して、直接鍋へ。複数の鍋を同時に火にかけ、調理する手際の良さでした。
はじめての食事のとき、ジョーが出してくれたのは野菜料理のみ・・・。えーーー💦 あんなにたくさん作ったのに、これしか食べさせてくれないの⁉とショックだったのを覚えています。
でも、美味しかった・・・。感動しました。
さすがに野菜だけだとお腹がすいてきます。すると、ジョーは立ち上がり、次の料理を盛りつけ運んできました。
え?まさか!
そうです、ここはフランス。家庭でも料理は一品ずつ出てくるんです。だから、毎日、夕食には3時間くらいかかります。
決まって、食事の最後には「Fromage?」と聞かれ、数種類のチーズが登場。もう、夢のような世界でした💖
私は当時も今も、話せるフランス語はほんのちょっとなのですが、それでもおしゃべりなジョーはいろいろ話してくれました。
彼女の部屋の向かいに病院があって、赤ちゃんが見えると、「un petit bebe」とか、今思うと会話と言うより単語を並べてくれていたんですね。
何か本当に伝えなきゃいけないことがあると、娘のエレンに電話をして、通訳を頼みました。
フランス人は恋愛体質⁉
ある日、目を覚ますと、若い男性がジョーの部屋から出てきました。きゃーーーー💦やるじゃん!さすが、フランス人!と私は大興奮・・・。
またあるときは、娘たちが小さかった頃の写真を見せてくれ、そこに映っていた男性を指さして、「これは娘たちの父親。でもね、死んじゃったの」と悲しそうに言っていました。
ところが、数日後、その男性が家に現れたんです!娘たちが「パパよ」と紹介してくれ、ジョーも笑顔で、普通にビズしてるじゃないですか!
「あれ?え?はぁ?」な瞬間でした。
今思うと、「私の中でこの人への愛は死んだ」という意味だったのかな・・・。さすがフランス人、表現が詩的・・・と勝手に納得しました。
ほかにもカルチャーショックがたくさん。
ジョーは、あまりシャワーを浴びない・・・おそらく週一くらい・・・夏なのに・・・。ま、乾燥してるし、そういう人多いみたいですね。
一緒に出掛けたとき、徒歩5分の駅まで行く途中、知り合いに逢っては、ビズ&立ち話の繰り返しでなかなか前に進まない・・・という。結局30分以上かかったような・・・。
「今晩はパーティーに行くから準備して」と言われて、夜7時くらいに万端で待っていると、なぜかミシンをかけ出すジョー。「????」でひたすら待ち、結局出かけたのは午後11時でした💦
レストランで大勢の友だちと食事していたとき、外のテーブルだったので、「寒いから、もう帰ろうよ」と言うと、「ちょっと待って」と何かを注文、ウォッカが運ばれてきて、「これ呑んだら大丈夫!」と笑顔のジョー・・・。私、「・・・💧」
数え上げたらきりがないくらい、面白いエピソードがたくさんあります!
ジョーにまた会えるかな?
そんなお茶目なジョーとその仲間たちが大好きで、アメリカに住んでからも何度か彼女を訪ねました。
アメリカからお土産に持って行ったピーナッツを「美味しい、美味しい、こんなのフランスにない」とよろこんでくれたり・・・。
家に来る人来る人に「この子はね、最初、もうこんな小さなバッグ一つでうちに来たのよ 。今は、アメリカに住んでるの」と紹介してくれました。
何を言っているのか全部は理解できませんが、「Un petit petit petit sac(ちっちゃな袋)」と「Aux États-Unis(アメリカで)」を連呼していたので、そういうことだと思います。
そして、私の方も何かあるたびに「Tu es une bonne cuisinière(あなたは料理が上手)」を繰り返しました。テッパンでよろこんでもらえますから・・・。
そうそう、よく「un petit peu français」とも言われました。ほんのちょっとしかフランス語を話さないということですが、それでも親切に私を受け入れてくれたことに感謝です!
そんな大好きなジョーとは、ここ10年以上、音信不通でしたが、最近Facebookで見つけ、Google Translateを駆使して、メッセージを送りました。
まだ、返事は来ないけど、元気そうな姿が見れてうれしい・・・。また会いたいです。